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九州教育学会は九州に基盤を置く、教育学者と教育実践家の集まる学会です。

会長挨拶President Message

九州教育学会会長 元兼 正浩

 九州教育学会のホームページへようこそ。九州教育学会は教育学関係の総合学会であり、教育学を志す研究同人で構成された地方学会です。
 九州教育学会の前身は1928(昭和3年)に設立され、2か月に1回の割合で研究発表を実施し、機関紙『教育春秋』を発行していたとされます(九州大学教育学部五十年史より)が、現在の学会は1948(昭和23)年に結成され、第1回の大会が開催されたことが直接の嚆矢となります。第6回大会が昭和29年12月2日3日に宮崎大学学芸学部にて、第9回大会が昭和32年11月30日・12月1日に九州大学教育学部にて開催されていることから推察しますと、年に一回、11月下旬から12月上旬の時期に九州を反時計回りに各県持ち回りでの大会開催をする現在の方式は学会創設の頃から始まっているようです。
 第6回大会のプログラムをみると会長を平塚益徳先生(九州大学教授(当時)、その後ユネスコ本部教育局長、国立教育研究所長などを歴任)が務められており、福岡学芸大学、佐賀大学、熊本大学、長崎大学、鹿児島大学、宮崎大学、大分大学、九州工業大学といった九州各県の国立大学の教員らが教育原理及び教育史部会、教育心理及び教育方法部会、教育社会学及び教育行財政部会に分かれて自由研究報告を行っています。翌日午後の公開講座では宮崎県教育委員会、宮崎県教職員組合等の後援を受け、のちにNHK経営委員長も務められた原俊之先生が「教育者への願望と期待」という演題で教師論を語るなど、教育を通じて国を再建しようとする戦後の息吹が感じられます。
 紀要については、1973年になって刊行規定が整備され、改めて第1巻から数え直していますが、1957年発刊の九州教育学会研究紀要「第6巻」を現物で確認できます。発表要旨集録のようなものですが、教育原理部門12本、教育史部門11本、教育方法・教育心理部門12本、教育社会学・教育行政部門12本の研究概要が掲載されており、権藤与志夫先生、阿部洋先生、原岡一馬先生、小林文人先生、金子照基先生、徳村丞先生、西睦夫先生ら学界をリードされた先生方が若き学徒だった時期の研究内容を垣間見ることができます。
 学会創設以来、長い歳月を経ていますので、鬼籍に入られたり、退れてしまった会員も多くいらっしゃいますが、そうした皆様のお蔭で九州教育学会はこれまで継続し、世代交代を経ながら教育学への情熱を受け継ぎ、現在に至ります。2023年の沖縄大学での大会が75回、研究紀要は51巻を数えていますが、これからも継承と革新を重ねながら、進化を続けていきたいと思います。
 共同研究の活性化や若手の育成・支援、研究倫理の徹底、教育実践に寄り添う学術研究、九州という地政学的条件を生かした東アジア研究や連携、オンラインによる情報発信など、時代を見据えた多様な活動ができるよう組織体制を見直し、新たな挑戦を模索します。
 九州にご縁のあるなしでなく、本学会に関心をお持ちの皆様を歓迎します。一緒に九州の各地で、お会いできることを楽しみにしています。ともに歴史を作っていきましょう。
          九州教育学会会長 元兼正浩(九州大学教授)



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